昨今の不妊症の現状~約56万組のカップルが挑む不妊治療
まず不妊症とはどのような病気であるのか、そして、不妊治療の現状とはどのようなものなのかを説明しましょう。
一般的には、妊娠を希望し、通常の性生活を送りながら、一~二年以上経過しても妊娠に至らない場合、不妊症と診断されます。これは「子供を持つ90%の夫婦が二年以内に妊娠している」という日本産科婦人科学会の定義に基づいた考えです。
不妊症の原因は、女性に間題がある場合、男性に間題がある場合、もしくは双方に間題がある場合と、さまざまです。ハッキリと不妊の原因がわかる場介もありますが、いくつかの原因を同時に抱える場合もあれば、検査をしても原因を特定できず、不明のままに治療を始める場合もあります。現状を見ると、原因不明の割合のほうが多いかもしれません。
厚生労働省が2007年度に実施した「生殖補助医療技術に関する意識調査」によれば、既婚者のうち「不妊に悩んでいる」または「過去に悩んだことがある」と答えた人の割合は、結婚期間二~三年で二八%、四~五年で22.3%、6~9年で29.1
%となっています。平均すると、結婚期間が10年未満の夫婦では、三・七人に一人が不妊に悩んだ経験を持つということになるのです。
現在、国内で不妊治療を受けているカップルは約五6万組といわれています。そのうち、体外受精、顕微授精などの高度不妊治療(ART=アート)を受けているカップルは二四%であり、年間で治療を受けているカップルは約22万5000組という数字になっています(2003年度厚生労働省調べ)。しかし、子供を望んでいても「治療をしてまでは......」と思っている人も多く、実際に不妊で悩んでいる人は、この数字よりさらに多い状況だと考えられます。
そのような背景から、体外受精および顕微授精を対象とし、厚生労働省が少子化対策の一環として、不妊治療費の一部を助成するという事業がスタートしました。一回の助成額の上限が10万円で年二回まで、通算五年間支給されるというものです。高度不妊治療には健康保険が適用されないため、こういった国からの支援は、現在不妊治療を受けている人、そして、これから挑戦しようと考える人に大きなサポートとなることでしょう。
なお、助成金対象者は、特定不妊治療以外の治療法では妊娠の見込みがない、または可能性がきわめて低いと医師に診断された戸籍上の夫婦です。所得制限額は夫婦合算の所得ペースで730万円です。
不妊治療を受けているカップルが二年以内に妊娠する確宰は35歳未満で75%に対し、35歳以上では50%に低下するといわれています。治療を開始し、次の段階へと進むタイミングは、体の状態や年齢によっても違ってきます。
治療の内容は、基礎体温(最も安静にした状態での体温)から排卵日(卵子を排出する日)を予測して、そのタイミングで性交渉をする「タイミング法」から高度不妊治療までさまざまです。高度不妊治療に挑戦しているカップルのうち、一年間に妊娠に至るケースは約20%ほどしかありません。数字の低さに驚く人もいるかもしれませんが、これが現実にある数字なのです。
- 自分の排卵日を知る
排卵日は先に述べた基礎体温で大まかな予測がっきますが、そのほかの方法として子宮頸管粘液で予測することも可能です。 - 基礎体温と排卵日の予測
妊娠を希望している女性に、まず実行してほしいのが、毎朝の基礎体温を記録することです。基礎体温とは、前述したように、眠っている間など体が最も安静な状態にあるときの体温のことです。朝目覚めたら、動かずに寝床の中で、市販の基礎体温計ですぐに測りましょう。 - 受精卵の着床と妊娠の成立
受精した卵子のことを胚といいます。胚は細胞分裂をくり返しながら卵管内をコロコロところがり、子宮にたどり着いて、フカフカに準備された子宮内膜へと着床します。 - 精子と卵子の出合い
卵巣の外へ排卵された卵子は、卵子や精子の通り道である卵管の末端にある卵管米というイソギンチャクのような形をした部分にキャッチされます。キャッチされた卵子は、卵管の入り口である卵管膨入部で待機します。 - 女性の体と妊娠のメカニズム~月経と排卵の仕組みを知ろう
女性の体の働きとして、だいたい25~38日のサイクルで月経があり、月経と月経の間に排卵があります。 - 昨今の不妊症の現状~約56万組のカップルが挑む不妊治療
不妊症の原因は、女性に間題がある場合、男性に間題がある場合、もしくは双方に間題がある場合と、さまざまです。ハッキリと不妊の原因がわかる場介もありますが、いくつかの原因を同時に抱える場合もあれば、検査をしても原因を特定できず、不明のままに治療を始める場合もあります。